歯の噛み合わせをよくして無呼吸障害などのない健康な体に

噛み合わせの悪さによる生活への影響

虫歯や歯の傷みを抱えていると痛みなどで食事がしづらくなりますが、噛み合わせの悪さによってもいろいろな健康上の問題があります。

①食事がしづらい

虫歯や噛む時の癖などにより少しずつ歯並びがずれていきます。これにより噛み合わせ不良が起き、ものを食べる時にしっかり噛みにくいという問題が生じます。

②就寝時の歯ぎしり・無呼吸

噛み合わせが悪いと、就寝時の歯ぎしりなどの原因となり、ひどい場合には無呼吸障害につながることもあります。無呼吸障害は口の中が狭くなり、舌がのどの奥に引っ込んで空気が通りにくくなることから起きます。噛み合わせの悪さにより顎が後方にずれていき、さらに症状を悪化させる場合も見受けられます。

③頭痛や首の痛さ、肩こり

噛み合わせのずれは、顎の周りの余分な筋肉が強くなってここにコリが生じ、頭痛や首の痛さ、肩こりなどの原因となり、多くの苦痛が発生します。

④ホルモンの異常、自律神経失調

無呼吸症候群では酸素の供給が不足するため、さまざまな場所に影響を与え、ホルモンの異常や自律神経失調を起こします。

⑤昼間の眠気・頭痛

無呼吸症候群は呼吸が止まるという危険もありますが、熟睡不足のため昼間や起きている時も眠気が強く頭痛などが起き、ひどい場合は突然意識を失うといった危険性もはらんでいます。

⑥不眠症

悪い噛み合わせのままで無理をして噛んでいるとアドレナリンが異常に分泌し、脳細胞に影響を与えて不眠症に陥ることもあります。

歯並びの悪さによる影響は大きいので、歯並びを悪くする原因を取り除くとともに、悪くなったものに対しては早期の治療が必要です。

睡眠時無呼吸障害の様子

睡眠時無呼吸障害とは

無呼吸障害とは、医学的には睡眠中に10秒以上呼吸が停止することが7時間の睡眠中に30回以上起きる、または1時間の間に5回以上起きる障害です。
寝ている間本人は気づかないため多くの潜在患者がいます。
無呼吸障害になると、寝ている間はいびきをよくかき時々呼吸が止まり、むせるなどの症状が起きます。いびきにもさまざまな原因がありますが、空気の通り道が狭くなることが大きな原因です。いびきをよくかくといわれる人は要注意です。
無呼吸障害では睡眠が十分でないため起きた時もすっきりせず、頭や体が重いと感じます。そして昼間も眠気やだるさを感じ集中力が続かなくなります。これにより仕事の能率も上がらず、車の運転などには危険が伴います。

無呼吸障害が起こる原因は二つあります。

①中枢性睡眠時無呼吸タイプ

呼吸中枢の異常による中枢性睡眠時無呼吸タイプは、心臓や肺などの機能には異常がないのに、脳から正常な指令が出ず起きるものです。全体的に見ると比率は少ないです。

②閉塞性睡眠時無呼吸タイプ

ほとんどの無呼吸障害は口内やのどの空気の通り道が狭くなることにより起きる閉塞性睡眠時無呼吸タイプです。これが起きる原因は顎やのどなどの首周りの形状も影響しています。下あごが小さく後方に引っ込んでいる人や、舌や舌の付け根の大きい人が起きやすいですが、普通の人でも歯の噛み合わせの悪さにより起きることがあります。
無呼吸障害か否かの検査は家庭でも簡単にできますが、本格的に行うためには入院して検査をすることが必要です。
家庭での検査はパルスオキシメトリーという酸素飽和度を調べる検査で、自宅で寝ている間に行うことができます。鼻の下や指に機械を装着し、いびきと呼吸の状態を調べ判断します。

歯の噛み合わせの悪さからくる無呼吸障害の治療

①歯ぎしり防止に「ナイトガード」や「マウスピース」

歯並びが悪くなる原因の一つに歯ぎしりがあります。
歯ぎしりが頻繁に起きると歯がすり減り、歯の噛み合わせが悪くなっていきます。歯ぎしりにもさまざまな種類があり、癖からくるものや緊張すると歯をかみしめることにより起こるものなどがあります。歯ぎしりの防止にはナイトガードの使用が役立ちます。
また、スポーツなどで力を入れる時に歯をかみしめることによる歯ぎしりを防止するには、マウスピースが利用されます。

歯ぎしり防止のマウスピース・ナイトガード

②矯正治療

すでに噛み合わせが悪くなった人は不整合を直す矯正治療が必要です。その方法にもいろいろな種類があり、噛み合わせ不良の段階に応じて行われます。
虫歯治療で行った金属冠の高さや形状が不適切で噛み合わせの不整合が起きている場合は、かぶせた金属冠の形状を調整することにより治ります。
歯の位置がずれたことにより起きている噛み合わせの不良は、歯の位置を戻すための治療が必要です。この治療では上あごの歯を固定してそれに対して下あごの歯が最も自然に噛み合わされる位置になるように調整していきます。例えば下あごを前方に誘導し、歯並びを前方に出すことにより上あごに合わせるように変形していきます。
金属ブラケットによる治療はすべての歯にブラケットを装着し、これをワイヤーで固定してつないでいき、ワイヤーで引っ張ることにより歯の位置を調整していきます。
軽度の歯並びの不良では取り外すことができるマウスピースをはめることにより歯の位置を調整します。

歯並びがきれいな人

矯正治療を行い、歯並びをきれいにすれば無呼吸障害の治療にも役立ち、さまざまな身体上の不調の改善につながることもあります。
噛み合わせや歯並び、歯ぎしりなどでお悩みの方は神戸元町にある神谷歯科医院へお気軽にお問い合わせください。

 


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