歯科医院でのホワイトニングは黄ばんでしまった歯も白くできるため、興味を持つ人は多いでしょう。しかし、痛みがあるなどのデメリットを耳にし、受診を迷っている人もいるかもしれません。この記事では、ホワイトニングによる痛みの程度や原因についてわかりやすく解説します。
また、効果の持続期間や施術できないケースなど、ホワイトニングを行う前に知っておきたい知識についても解説します。歯科医院でのホワイトニングで素敵な白い歯を手に入れましょう。
ホワイトニングのデメリット
白く美しい歯は、爽やかで明るい笑顔のポイントです。歯のホワイトニングは、明るいイメージ作りにもつながるでしょう。しかし、ホワイトニングにはあらかじめ知っておくべき点もあります。以下では代表的な注意点を解説します。
痛みが出たり、しみたりすることがある
ホワイトニングの注意点のひとつは、多少の痛みを感じるケースがあることです。歯科医院でのホワイトニングでは、高濃度の過酸化水素や過酸化尿素によって発生したフリーラジカルが、汚れと結びついて分解することで歯を白くします。薬剤は表面のエナメル質だけでなく、その奥の象牙質にまで浸透するため、内部の神経が刺激されることで知覚過敏のような症状が起こります。
ホワイトニングをした直後は、熱いものや冷たいものを食べたときにしみることはありますが、それほど大きい痛みではありません。また、一般的に痛みを感じるのは施術中ではなく施術後で、ほとんどの場合は数日でおさまります。
すぐに施術できないケースがある
虫歯や歯周病がある場合、そのままホワイトニングを行うことはできません。ホワイトニングと虫歯治療などを同時進行することもできないため、先に治療を行います。
虫歯があるままホワイトニングを行うと、前述したような痛みを強く感じてしまう可能性が高まります。虫歯にはなっていなくとも、歯にヒビ(クラック)が入っている場合も痛みを感じやすいため、その部分を保護してから施術するのが一般的です。
また、歯の表面にヤニや着色などの「ステイン」があるときや、歯石がついている場合は先にクリーニングを行います。汚れがついたままでは薬剤が歯の内部に行き届かず、ホワイトニングの効果を十分に発揮できません。
効果には個人差がある
ホワイトニングは、施術前の歯の色やエナメル質の厚みにより効果に個人差があります。コーヒーなど色の濃い飲食物を多く摂る人やタバコをよく吸う人など、歯の着色が強い場合は効果が出るまで時間がかかるかもしれません。また、生まれつき歯の内部にある象牙質の黄みが濃く、表面のエナメル質の層が薄い人は、象牙質の色が透けて歯全体が黄色く見えることがあります。
基本的にホワイトニングは何度か施術を繰り返して理想の白さに近づけるものです。薬剤は象牙質まで浸透して歯を内側から白くしてくれるため、個人差はあっても、ほとんどの場合継続することで満足できる白さになります。
効果は永続的ではない
ホワイトニング効果はずっと続くわけではありません。元の歯が黄ばんでしまったのと同様、色の濃い飲食物やタバコによるヤニなどが原因で徐々に「色戻り」が起きてしまいます。一般的に、歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」の効果は3〜6カ月、歯科医院で提供されたマウスピースと薬剤を自宅で使う「ホームホワイトニング」の効果は6カ月〜1年ほどです。
歯磨きの頻度や色の濃い飲食物を摂る頻度など、生活習慣により持続期間にも個人差があらわれます。色戻りが気になったら、メンテナンスとして定期的にホワイトニングを続ける「タッチアップホワイトニング」を行うとよいでしょう。
白くならない歯もある
神経が死んだり神経を抜いたりした歯(失活歯)は、薬剤を塗布する通常のホワイトニングでは白くなりません。
さらに、幼少期にテトラサイクリン系の抗生物質を摂取したために歯が変色する「テトラサイクリン歯」も効果を実感しづらいでしょう。
施術ができない方もいる
体質や妊娠、年齢により施術ができない場合もあります。例えば、「無カタラーゼ症」の人はホワイトニングができません。過酸化水素を分解する酵素が不足しており、塗布すると体内に残留してしまう恐れがあるからです。妊娠・授乳中の人への危険性に明確な根拠はないものの、安全性を証明する研究も不十分なため、一般的に歯科医院では施術を避けます。当院でも18歳未満の方はオフィスホワイトニングができません。
また、エナメル質の形成が未成熟な未成年についても施術を避ける歯科医院が多くあります。こちらも危険性に対する明確な根拠はありませんが、歯科医院によって受け入れ可能となる年齢は16〜20歳とさまざまです。
歯科医院でホワイトニングをするメリット
歯を白くするというキャッチコピーがついた商品やサービスは多くあります。しかし、日本では法令上の理由から、歯科医院での施術とその他のホワイトニングには明確な違いがあるのです。以下で、歯科医院でホワイトニングを行うメリットについて解説します。
内部から着実に歯を白くできる
過酸化水素によりエナメル質や象牙質の着色まで分解して、歯を内側から白くするホワイトニングができるのは歯科医院だけです。
日本国内で販売されるホワイトニングをうたった歯磨き粉や、サロンで受けられる「セルフホワイトニング」は、基本的に歯の表面の着色汚れを落とす効果しか期待できません。自分でできるホワイトニングには、ホワイトニングジェルとマウスピースを使う「ホームホワイトニング」がありますが、これを提供できるのも歯科医院だけです。
トラブルがあってもすぐに対応してもらえる
歯科医院では、国家資格を持つ歯科医師や歯科衛生士が施術を行います。また、ホワイトニング効果を減少させるステインや歯石の状態をチェックし、クリーニングの必要を見極めるので、より効率的なホワイトニングができます。
虫歯や歯周病がある場合は先に治療を行うなど、お口全体の健康を考慮した提案が可能です。白くなりにくい歯やデメリットに関するわかりやすい説明も受けられ、ホワイトニング以外の方法についても相談できます。
健康な歯を傷つけるリスクがない
歯科医院でのホワイトニングは痛みが出たりしみたりすることもありますが、あくまで一時的なもので、基本的には健康な歯へ悪影響が出るおそれがありません。歯を削るようなこともないため、歯科治療が苦手な方でも気軽に施術を受けていただけるでしょう。
お口の状態に合わせてさまざまな提案をしてもらえる
歯がしみるのが不安な人は、歯科医院で相談してみましょう。高濃度の薬剤を用いて短期間で歯を白くするオフィスホワイトニングではなく、低濃度の薬剤でゆっくり白くするホームホワイトニングなら、痛みが出にくくおすすめです。ホームホワイトニングは色戻りしにくいというメリットもあります。
歯科医院なら、ホワイトニングで白くならない歯への対処も可能です。
歯を白くしたいならホワイトニングが得意な歯科医院に相談しよう
ホワイトニングは、どこの歯科医院でも同じように受けられるわけではありません。ホワイトニングは、歯科の中でも審美歯科という専門性の高い分野のひとつです。歯を白くしたいなら、ホワイトニングの経験豊富な歯科医院を選びましょう。
歯がしみることへの対策や、白くなりにくいケースへの対応、色戻りしにくい方法など、個々の希望やお口の状態に合わせた相談ができます。適切な歯科医院選びが、きちんと効果を実感できるホワイトニングを受けるためのポイントです。
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