近年では多くの人が、魅力的な白い歯を目指してホワイトニングを受けています。しかし、どれくらい効果があるのかわからず、ホワイトニングを迷っている人もいるでしょう。ホワイトニングを受ける前に、メカニズムをきちんと知りたい人もいるかもしれません。
この記事では、ホワイトニングにどのくらいの効果があるのか、また、効果を長持ちさせる方法について解説します。さらに、歯が着色する主な原因や、ホワイトニングで白くなるメカニズムも説明するので、ぜひ参考にしてください。
歯の着色の原因は?
歯の着色の原因は一つではありません。特別なケースのものや、多くの人が悩む一般的なもの、損傷によるものなど様々です。また、原因によっては、歯を白く見せるためのホワイトニング以外の方法を取ることがあります。この章では、歯の着色の主な原因を4パターンに分け、そのメカニズムや対処法について解説します。
薬品を服用したことによる着色
母親の妊娠中や、出生~8歳ごろまでにテトラサイクリン系の抗生物質を服用すると、歯が灰色や茶色、縞模様に変色することがあります。また、高濃度のフッ素を長期間服用することでも歯の着色が見られる場合があります。
薬品による着色は、軽度であればホワイトニングで改善されることもありますが、重度の場合は効果がありません。その場合は、歯にセラミックを被せるラミネートベニアやセラミッククラウン、マニキュアで対処することになります。
喫煙や食品による着色
タバコや色の濃い飲食物は、もっとも一般的な歯の着色の原因です。色の濃い飲食物の例には、コーヒーや赤ワイン、ウーロン茶、紅茶、カレーなどが挙げられます。直接の着色原因は、お茶やコーヒー、ワインの色素ポリフェノールや、カレーに含まれるウコンの色素クルクミン、タバコのヤニに含まれるタールの色素です。
これらの色素は、歯の表面を守っているタンパク質の膜、ペリクルに付着します。着色が少なければくすんで見えるだけですが、蓄積すると歯磨きでは落とせないステインになり、歯が黄ばんで見える着色汚れになっていくのです。
歯の神経を取ったことによる着色
神経を取った歯や、神経が死んだ歯は失活歯(しっかつし)と呼ばれ、多くの場合徐々に色が黒ずんでいきます。歯が失活歯になると、象牙質の中に張り巡らされている細い管「象牙細管」のタンパク質が変質したり、流れ込んできた血液の鉄分が変性したりして色が黒ずんでしまうのです。
こういった場合、通常のホワイトニングでは充分な効果が見られません。また、ある程度白くなっても、白さの度合いが周りの歯と変わってしまうことがあります。失活歯を白くする場合は、歯に小さい穴をあけて漂白剤を入れるインターナルブリーチや、ウォーキングブリーチを行います。
加齢による着色
加齢による着色の原因は、象牙質の色が透けて見えることです。歯は何層かに分かれており、内側には黄色っぽい象牙質、外側には半透明の白色のエナメル質があります。エナメル質が厚いほど、歯は白く見えるのです。
しかし、歳を重ねると外側のエナメル質はすり減って薄くなり、内側の象牙質は厚みを増すため、黄色が透けて見えやすくなります。加齢による歯の黄ばみは、着色汚れだけでなく内部のメカニズムの問題もあるのです。この場合は通常のホワイトニングに加え、後述する「マスキング効果」で歯を白く見せることができます。
ホワイトニングで白くなる理由は?
歯科医院で行うオフィスホワイトニングでは、過酸化水素を主成分とするホワイトニング剤を歯の表面に塗り、汚れと反応させることで歯を白くします。ホワイトニング剤に熱を加えると、過酸化水素は水と酸素になり、このとき発生した活性酸素が汚れを分解するのです。
歯科医院で作ったマウスピースを使って家で行うホームホワイトニングでは、過酸化尿素を主に使用します。過酸化尿素は過酸化水素より効き目が緩やかですが、白くなるメカニズムは同様です。
また、オフィスホワイトニングで使用する過酸化水素はエナメル質の構造を角状から球状にし、すりガラスのように変化させます。これにより歯にあたる光が乱反射し、象牙質の黄色が透けて見えにくくなるのです。このマスキング効果は一時的なものですが、象牙質の色が原因で黄ばんで見える歯に効果があります。
どれぐらい白くなる?
前述したように、着色汚れがなくても象牙質やエナメル質の厚みで歯の白さは変わるため、ホワイトニングの効果にも個人差があります。歯科医院で一般的に使われているドイツVITA社の色見本を例とした場合、オフィスホワイトニングでは3~5段階ほど白くなります。ホームホワイトニングは、マウスピースを装着する時間などによりますが、3~4週間くらい行えば周囲からもわかるほど白くなるでしょう。
一般的にホワイトニングは一度で完了するものではなく、目的の白さまで回数を重ねるものです。ホワイトニングで白くなりにくいという人も、回数を重ねると目的の白さに近づいていくでしょう。また、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用すると、さらに効率的に白くできます。
ホワイトニングの効果をさらに高めるために
ホワイトニング効果を高めるためには、事前におさえるべきポイントがあります。その一つは、歯科医院に行く前にフッ素入りの歯磨き粉などを使用しないことです。歯磨き粉やデンタルリンスのフッ素で歯をコーティングすると、フッ素がホワイトニング剤の浸透を阻害し、ホワイトニング効果が低下します。
しかし、フッ素には虫歯予防の効果があるため、ホワイトニング後の使用は歯の健康に役立つものです。また、歯に歯垢がついたままホワイトニングを行うと薬剤が充分に浸透せず、ムラになることもあります。そのため、ホワイトニングの前に除去するとよいでしょう。
虫歯がある場合も、先にそちらのケアを行います。ホワイトニング前に口内の環境をよくチェックし、事前にするべき処置を丁寧に行う歯科医院を選ぶこともポイントです。
効果を長持ちさせるには?
ホワイトニングの効果は永続的に続くものではありません。一般的に、オフィスホワイトニングは3~6カ月、ホームホワイトニングは6~12カ月が持続期間です。ホワイトニング効果を長持ちさせるには、日頃の習慣や歯科医院でのケアが重要になります。
色の濃い飲食物の色素は歯の色戻りの原因になるため、カレーやコーヒー、赤ワインなどを飲食したあとはすぐ口を水ですすぎましょう。着色成分を歯に残したまま放置しないことが大切です。また、歯科医院の定期検診でクリーニングを受けることもおすすめです。歯に汚れが蓄積しないうちに表面を綺麗にすることで、ホワイトニング効果が長持ちします。
さらに、色戻りが起き始めたら再度ホワイトニングする「タッチアップ」を行うとよいでしょう。最初に行ったホワイトニングよりも少ない回数で白さを蘇らせることができます。
白い歯でより魅力的に
白くて美しい歯は、笑顔をいっそう魅力的にしてくれます。また、清潔感や肌の透明感もアップします。目的の白さに近づけるには、丁寧なカウンセリングや、事前の処置をきちんと行う歯科医院選びが重要です。
神谷歯科医院は、「ひとりひとりの患者様にご安心とご満足を」をモットーとしています。オフィスホワイトニングやホームホワイトニングのメリットを比較しつつじっくり相談でき、両方のメリットを持つデュアルホワイトニングも選べます。
ぜひ、安心できる歯科医院でのホワイトニングで、納得の白い歯を手に入れてください。
- 参考ブログ記事はこちらから
- ホワイトニングって痛いの?デメリットについて詳しく解説します
- セルフホワイトニングのリスク・歯医者での施術との違いは
- 当院の治療についてはこちらから
- オフィスホワイトニングについて
- ホームホワイトニングについて