歯ぎしりや食いしばりの種類、その原因

歯ぎしりは歯を強くこすりあわせることで起こります。ご本人に自覚がなくても、歯科医師が口の中を見れば一目瞭然です。力がかかっている歯が削られ、異常に減っているからです。
歯ぎしりの原因は人によって違います。なので自分の生活や習慣を見直し、歯ぎしりの原因となるような習慣などがないか、思い返して確認してみるのが歯ぎしりの改善には必要です。

まずは歯ぎしりの原因について詳しく紹介いたします。


歯ぎしりをしやすくなる、主な原因

ストレスの溜まる生活

人は強いストレスを感じると無意識に体を揺らすなど仕草、行動にあらわれます。なので歯ぎしりもストレスによる動作の一つと考えられています。ストレスによって精神的な疲労が重なると、歯ぎしりが多くなる傾向があります。歯ぎしりが増えたときは、積極的に気分転換などをしてストレス解消をしましょう。

過度な集中

眠っている時だけではなく、昼間にも気付かない間に歯を食いしばっていることはありませんか?仕事や運動、家事など何かの行為に集中している時、気付かない間に歯を食いしばるのもあまり良いことではありません。緊張していたりストレスを感じていたりする時によくしてしまいます。過剰な力で歯を食いしばってしまうと顔の筋肉が緊張し、頭痛や肩こりの原因になります。

アルコールやタバコ

もともとアルコールやタバコは睡眠に良い影響を与えないものです。なのでアルコールやタバコの影響で睡眠が浅くなり、歯ぎしりが起きている可能性があります。

逆流性食道炎の人は歯ぎしりをしやすい

「逆流性食道炎」という病気を知っていますか?
逆流性食道炎は強い酸性の胃液や胃酸、まだ胃で消化されている段階の食べた物が食道へと逆流し、食道が炎症することによって起こる病気です。この病気になると胸やけや胸の痛み、酸っぱい液体が口まで上がってくる呑酸(どんさん)という症状があらわれます。

この逆流性食道炎によって胃酸が逆流して食道へ上がってくると、口の中が胃酸の影響で酸性に傾きます。すると私たちの体は口の中を元の中性の状態に戻そうとし、唾液を分泌しはじめます。そして唾液を分泌するために歯ぎしりをしてしまうのです。なので今あなたが逆流性食道炎ならばこの病気を治すことで歯ぎしりも治ります。

歯ぎしりをしやすい歯並びがある

全ての人に当てはまるわけではありませんが、歯並びが悪いことが歯ぎしりの原因にもなります。それは歯並びが悪いことによって噛み合わせが安定せず、ストレスを生み歯ぎしりをしやすくなります。
私たちの歯並びは常に変化していきます。成長や虫歯、歯周病などの治療、老化などによって歯並びは変わり噛み合わせも変わります。そしてその噛み合わせの変化を歯ぎしりによって調節するのです。

食事をしている時に噛み合わせが悪いと感じたら歯医者さんに相談しましょう。噛み合わせを良くすることが歯ぎしりを解消できる方法です。


4種類の歯ぎしりタイプ

歯ぎしりの仕方にも種類があります。その種類は大きく分けて4タイプあるのでそれぞれのタイプについて詳しく紹介いたします。

1.歯ぎしり型(グライディングタイプ)

グライディングタイプ 上下の歯を擦り合わせる一般的によく考えられる歯ぎしりです。 下の顎が左右にすばやく動いた状態を繰り返します。
音は「ギリギリ」と出ます。睡眠中に多く見られます。
この動きは起きていて意識があるときに動かそうと思っても、再現するのは難しく、無意識に早く、大きく動かしている人が多くみられます。

2.タッピングタイプ

上下の歯をぶつけあうタイプの歯ぎしりです。
下の顎が上下に動く状態を繰り返すため、「カチカチ」「カンカン」といった音が出ます。
軽くカチカチ当てる人から強く歯を当てる人まで力のかけ方は、さまざまです。

3.咬みしめ型(クレンチングタイプ)

上下の歯を強く咬みしめるタイプです。
日常の生活で、仕事やスポーツの時など、上下の歯に力を入れてぎゅっと強く咬みしめた状態が習慣化しています。
顎に大きな力がかかっていますが、音はほとんどしません。自分の体重ほどの力で、咬む人もいます。

また、睡眠中に無意識に咬みしめている人は、朝起きた時にあくびをしようとすると、こわばりを感じる事が多いようです。患者さん自身が朝起きた時に疲れたような重だるい感じを持つ方もいらっしゃいます。

4.きしませ型(ナッシングタイプ)

きしませ型は、ある一定の限られた部分でこすりあわせる歯ぎしりのタイプです。
夜間にみられ、キリキリ、キシキシときしむ音がします。
特定の歯の場所でこすりあわせるため、数か所の歯だけがすり減っています。

この4タイプの歯ぎしりを混合してする人もいますし、人によって様々です。
歯ぎしりは歯や体の健康にいろいろな影響を与えてきますので、改善していく意識が必要です。


歯ぎしりを放置すると…

歯ぎしりをそのまま放置していると、様々な症状が出てきます。
中には歯の白い部分のエナメル質が削られ、内側の茶色っぽい象牙質まで露出している人や、前歯が歯ぎしりで半分くらいまで短くなっている人もいます。

また、骨隆起(こつりゅうき)と呼ばれる隆起ができてきます。
これは、歯ぎしりによって歯が圧迫され、歯の土台となっている歯槽骨にまで大きな力が加わり続けると、歯槽骨が重みに耐えられなくなり歯を支えられなくなる危険性を回避するために骨が広がって歯を守るからだの防御反応が起こす症状です。
骨隆起自体は病気ではないので治療の必要はありませんが、放置しておくと今度は骨がどんどん大きくなり、入れ歯治療の際に邪魔で入れ歯が入れられなくなったり、しゃべりにくくなることもあります。

また、歯周病の歯が歯ぎしりで揺さぶられるとますます歯を支える骨が溶けていきます。
つまり、歯ぎしりは歯周病を悪化させるのです。
歯みがきをしっかりして、メインテナンスをきちんと受けているのに、一部の歯だけ急速に歯周病が進行する場合は、歯ぎしりが引き金となっている場合があります。

更に、歯ぎしりは歯を失う要因にもなります。
歯ぎしりによって歯や歯の根にひびが入り、割れてしまうことがあるからです。歯はからだの中で一番硬い部位ですが、むし歯などで神経を取り除いてしまった歯や歯の根には栄養が十分に行き届かないため、弱くなっているため、少しの力で割れやすくなります。
そして、ひび割れた部分からは細菌が入りやすくなるので、むし歯の進行が進みやすくなる事もあります。
割れてしまった歯の多くはかぶせ物ができないことがあるので、歯としての役割が果たせなくなり、抜歯となってしまうことがあります。

歯ぎしりを完治させる方法は残念ながらありませんが、軽減させる方法はあります。

マウスピース療法


マウスピース療法は睡眠時にマウスピースを歯にはめて、上下の歯が直接当たらないようにする治療です。これにより、歯ぎしりと歯への負担が軽減できます。

患者さんの歯にあったオーダーメイドのマウスピースを作ります。 費用や耐久性、使い心地などがそれぞれ違うので、作る場合は歯科医師によく相談して下さい。

また、歯ぎしりは顎を動かす筋肉や側頭筋にも負担をかけるため、肩こりや頭痛などの悪化要因になるといわれています。 歯ぎしりを治すとこうした不調も改善するかもしれません。
今回ご紹介した、歯ぎしりや食いしばりの症状にお心当たりのある方は、一度歯科医師にご相談ください。