ドライマウスとは
ドライマウスとは口腔乾燥症のことです。
唾液の分泌が減少、または分泌されなくなるもので、現代では悩んでいる方が増え続けています。
ドライマウスの自覚症状
乾燥によって口の中がねばついたり、ヒリヒリとした痛みを感じたりするほか、歯垢がたまりやすくなり口臭も強くなります。 その他水分の少ない食べ物が飲み込みにくい、声を出しにくくない、味を感じにくくなる、舌がひび割れてくるなど日常生活に支障を来す症状も表れてきます。
ドライマウスの原因
ドライマウスの原因はさまざまで、糖尿病や腎不全などの病気が原因で起こることもあれば、ストレスや筋力の低下、薬剤の副作用で起こることもあります。 薬の副作用でドライマウスになり、唾液が出ないことにストレスを感じて、さらに強いドライマウスになっていく。ということもあります。 つまり、複合的な原因によって、ドライマウスが発症することがあるということです。
そもそも唾液の役割とは?
唾液にはさまざまな作用があり、ただ口の中を潤してくれるだけではありません。
主な働きを7つ紹介します。
1. 消化作用
酵素アミラーゼがデンプンを分解し消化しやすくします。
2. 粘膜保護・潤滑作用
粘膜に硬組織(歯)が擦れて傷がつくのを防ぎます。
3. 自浄作用
歯や歯間に付着した食べかすやプラーク(歯垢)を洗い流します。
4. 抗菌作用
抗菌作用をもつ成分が口の中の細菌の増殖を抑えます。
5. pH緩衝作用
飲食により酸性に傾いた口の中のpHを中和させ虫歯を防ぎます。
6. 再石灰化作用
飲食により溶けかかった歯の表面を修復し虫歯を防ぎます。
7. 溶解・凝集作用
味を感じさせ、噛み砕いたり飲み込んだりしやすい塊にします。
ドライマウスによる弊害
上記で紹介した様に唾液は口腔内に欠かせません。
唾液の分泌が低下するということは、それらの作用がうまく働かないということです。
口の中の自浄作用や抗菌作用が弱まると、むし歯の原因菌や歯周病原因菌が増殖しやすい口腔環境になります。それが口臭や、感染症を起こしやすい状態につながります。
他にも、カビの一種であるカンジダ菌が増殖すると、口の中に白斑が出現することもあります。
ドライマウスの予防法
口の潤いを保ちましょう
口の渇きを感じたらこまめに水を飲む習慣をつけましょう。
マウスジェルやスプレーを使い、乾燥が気になる時はマスクの着用、加湿器の活用も良いです。口呼吸もドライマウスの原因になるため、鼻呼吸を心がけましょう。
食べる時はよく噛んで、喫煙・飲酒はほどほどに
現代はファストフードを食べる機会が増えており、やわらかい食べ物を好み、咀嚼(そしゃく)時間や回数は昔に比べてずいぶん短くなりました。
唾液は、噛むという行動が脳に伝わることで分泌されます。同時に、唾液を分泌するための筋肉も使っています。唾液を出すための筋肉が衰えると、唾液の分泌量がますます低下しドライマウス症状になるのです。
そのため、普段からよく噛んで食べることが大切です。ガムを噛むのも効果的です。
また、唾液の分泌を減らしてしまう生活習慣に喫煙、飲酒があります。ドライマウスが気になる方は量を減らすなど、生活習慣の改善を気にかけてください。
唾液腺マッサージ、舌の体操をする
口腔内には唾液の働きが欠かせないため、唾液腺を刺激するマッサージや舌の運動、酸っぱいものをイメージしたり食べることもお勧めです。
マッサージは耳下や顎下に唾液腺があるため、ゆっくりと指で優しく刺激を与えるようにします。舌の運動は上下左右や円を描く様に動かすと唾液が出易くなります。
当院でのドライマウスの治療法
唾液腺を刺激するマッサージの実施を行なっております。 耳下腺、顎下腺、舌下腺を優しく指で指圧し、唾液が出やすいように刺激します。
また、お家でご自分で行っていただけるよう、マッサージや舌の運動の仕方の指導も行います。 お家で使っていただけるマウスジェルの販売もございます。
ドライマウスが気になる方は是非当院へご相談ください。
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