歯周病は治療せず放置すると全身疾患になることも

歯周病とはそもそもどのような病気なのか?

テレビなどのメディアでも歯周病がしばしば紹介されています。 歯周病とは、歯垢を餌にする細菌が繁殖することで炎症などを起こし発症する病気のことです。
歯肉と歯に接する付近で起こりやすいです。 歯周ポケットといわれる歯茎と歯の隙間が、症状が進行することでどんどん深くなります。
ポケットが深くなると細菌が活動できるスペースも広くなって、ますます増殖しやすくなります。治療しないと歯茎が腫れていき、骨を溶かすような状況に陥りかねません。
そのまま放置しておくと、最悪歯が抜け落ちてしまう可能性も大いにあります。 歯周病で苦しむ女性
日本人が歯を失う原因で最も高いのは歯周病だと言われています。 年代別でみると、20代で約7割、30代~50代で約8割、60歳代は約9割が歯肉炎及び歯周病患者です。 しかもこの歯周病は、口腔内だけでなく、全身疾患を引き起こす恐れがあるのも厄介なところです。 原因菌の存在によって、動脈硬化を引き起こすことがあります。
そうなると血液の通り道が狭くなって、狭心症や心筋梗塞のような深刻な病気につながることもゼロではありません。 また近年日本では糖尿病にかかる人も多く見られます。
可能性を否定できない人、強く疑われる人も合わせるとこの糖尿病は、国民健康栄養調査によると、平成19年時点で2,210万人程度いると推定されているほどです。
合併症を引き起こすのが問題で、その中の一つに歯周病があるといわれています。両者の相関性は強く、歯周病になると糖尿病の症状が悪化することも明らかになっています。
このように歯の病気というだけにとどまらず、適正な処置を施さないと全身に影響の出る怖い症状であることを理解しましょう。


初めの段階は基本治療で

歯周病と診断されれば、速やかに治療が行われます。最初の段階では基本治療と呼ばれる処置が実施されます。 この病気の原因は歯垢やそれが石灰化した歯石にあり、それらをプラークと呼びます。基本治療の内容は主にプラークの除去がメインとなり、プラークコントロールともいわれています。スケーラーと呼ばれる器具を使って、歯垢や歯石を歯の表面などから取り除いたり、ルートプレーニングという歯の表面が歯石で覆われざらざらした状態を滑らかにしたり、毒素や微生物で汚染された表層を除去する処置がとられます。
スケーラー歯科治療器具
両方の治療方法を併用して行うのが一般的です。 また症状が進行すると、歯がぐらつくことも往々にしてあります。もし歯が動いていると、食事の噛んだ際に負担が大きくなります。そこで歯を削るなどしてかみ合わせの調整を実施して、負担を軽減できるよう対応することもあります。中には、この調節をしても噛みづらいという患者さんもいます。その場合には、歯科用の接着剤を使用して隣の歯と接着し、固定してしまうこともあります。 このような基本的な治療をするだけでも、軽度のものであれば歯周組織の改善が見られる場合もあります。歯周ポケットの深さが浅くなり、通常数値である2ミリから3ミリ程度になればこの状態を維持するためのメンテナンスに移行します。痛み等の自覚症状がないまま進行していく歯周病は、治療が終わったあとも定期的に歯科医院での検診を受けることをおすすめします。また、歯周病の悪化を防ぐためには毎日の歯磨きなどのセルフケアも重要です。
正しい方法でブラッシングを行ったり歯間ブラシを使用することで、歯周ポケットの深さが改善される場合もあります。


それでも無理なら外科治療をする可能性も

基本治療だけで回復するかどうかは、診断時における歯周ポケットの深さがポイントです。 しかし歯周ポケットがすでにかなり深くなっている、治療を施しても浅くならない、細菌がポケットの内部に生息していてブラッシングなどでは完全に除去できない場合もあります。 さらに、歯医者に行かず症状がかなり悪化している場合には、外科的アプローチに切り替えることもあります。外科的な手法で、ポケットの深さを改善することも可能です。 症状がかなり進行してしまうと、歯茎だけでなく細菌が骨の方にまで進出してしまう恐れもあります。 そうなると骨の一部が溶け出してしまっている状況も十分考えられます。 このような場合でも特殊な材料を使用して、骨の再生をする手術もあります。再生療法と呼ばれており、状態によってはこの手法のとられることもあります。一般的なクリニックでは、できるだけ歯は温存する方針をとります。しかし重度になると、抜歯せざるを得ないケースも考えられます。どのような治療で対応するかについては、歯医者の総合的な判断によって決められるでしょう。
カウンセリングなどで自分の状態について説明を受け、どのような方法で改善を目指していくか話を聞くことが何よりも重要です。
神戸にある神谷歯科医院では、歯周病をはじめとした一般歯科の治療を実施しています。神谷歯科医院は検査を実施する際に、歯科用CTスキャンを導入しています。 コンピューターを駆使したデータ処理によって立体的に撮影できる機器のことです。ミクロンレベルの骨や神経の状態を確認して、正確に症状を把握していきます。託児スペースも用意してあり、小さなお子さんがいて通院が難しいと思っている方でも通いやすい環境作りをしています。

歯のCTスキャンについての機材

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