口内炎の原因と予防策・対処法

口内炎があると食事や会話をしづらくなりますよね。
今回は口内炎にならないための予防策や口内炎のなおし方をご紹介します。

口内炎とは

口内炎とは、口腔内や口唇、舌の粘膜に炎症が生じ、水疱やびらん(ただれ)、潰瘍、白苔などの粘膜病変を生じるものを指します。

口内炎の発症には、虫歯やサイズの合っていない義歯による粘膜への刺激、細菌・ウイルス・真菌などの感染、自己免疫疾患、全身性皮膚疾患によるものなど、さまざまな原因があります。

痛みの有無や粘膜に生じる病変のタイプは発症原因によって大きく異なり、数日で治る軽度なものから重篤な全身性疾患に起因するものまで多岐にわたります。
なかには、なかなか治らない口内炎で病院を受診し、他の病気が発見されるケースもあるため、長引く口内炎には重篤な病気が隠れている可能性もあります。

アフタ性口内炎とは

口内炎の中でも、最も多く見られるのは「アフタ性口内炎」です。
「アフタ性口内炎」にかかると赤く縁取られた2~10mm程度の丸くて白い潰瘍が、ほお・唇の内側・舌・歯ぐきなどに発生します。小さなものが2~3個群がって発生することもあります。

「アフタ性口内炎」の原因は様々言われており、はっきりした原因を特定するのは難しいですが、下記の状況が続くと、起こりやすくなると言われています。

  • ■暴飲暴食、栄養バランスの偏り
  • ■疲労やストレス
  • ■睡眠不足
  • ■風邪などの体調不良、免疫力の低下
  • ■ミネラル・ビタミン不足
  • ■女性の場合では月経前など

口内炎の写真

アフタ性口内炎にならないための予防策

口内炎を防ぐためのいくつかのポイントをご紹介します。

◎栄養バランスの良い食事
栄養バランスの良い食事は免疫力を高めます。口の中などの粘膜の健康を保つためには、ミネラル・ビタミンは必要不可欠です。口内炎ができてしまったら、痛みから食事を敬遠しがちですが、栄養バランスが崩れるとさらに治りも遅くなり悪循環です。
◎ストレス、疲労を溜め込まない
ストレスや疲労の蓄積は、体内のミネラル・ビタミンを奪って免疫力を低下させ、体調不良を引き金となります。ゆっくり体を休め、十分な睡眠をとるようにしましょう。自分なりのストレス解消法を見つけて、気分転換することが大切です。ストレス解消は、口内炎を防ぐだけでなく、他の健康面にもいい影響を与えてくれます。
◎口腔内を健康・清潔に保つ
口の中に汚れがたまると、雑菌が繁殖し、口内炎ができやすくなります。口の中を清潔に保つため、食後には歯磨きやうがいを心がけましょう。ただし、強いブラッシングでの歯磨きは、口の中(粘膜)を傷つけてしまいます。やさしく丁寧な歯磨きを心がけてください。 噛み合わせがわるいと、唇や口の中を噛んで傷つけ、口内炎の原因となってしまいます。入れ歯が合わなければ早めに調整してもらい、虫歯あれば治療を受けましょう。

お口の健康を保つ栄養素

口内炎を防ぐには、「栄養バランスの良い食事」が欠かせません。ここでは、具体的に口内炎の予防・改善に役立つ栄養素をご紹介します。

【亜鉛】
細胞の分裂を促進、新陳代謝を助け、皮膚や粘膜の健康を保ちます。 →カキ・うなぎ・たらこ・カボチャの種などに含まれます。
【鉄】
鉄は、貧血予防だけでなく、皮膚や粘膜を健康に保ち、免疫機能を高めるためにも必要とされます。 →鶏レバー・がんもどき・きな粉・ひじき・小松菜などに含まれます。
【ビタミンB2】
粘膜を保護したり、細胞の成長促進、脂質・糖質代謝などに働き、口内炎だけでなく、肌や髪の毛、爪などの健康維持にも大切です。 →豚レバー・うなぎ・カレイ・納豆・牛乳などに含まれます。
【ビタミンB6】
粘膜の材料となるたんぱく質の代謝を活発にしたり、粘膜を新しく作り出すときに、大切な働きをしています。また、正常な免疫機能を保つ働きをしています。 →マグロ赤身・サンマ・カツオ・鶏ささみ・バナナなどに含まれます。
【ビタミンC】
細菌やウィルスへの抵抗力を高めたり、ストレスをやわらげる働きがあります。また、鉄の吸収を高めてくれます。  →柑橘類 、イチゴ、キウイなどの果物・野菜・いも類に含まれます。
【ビタミンA】
粘膜や皮膚の新陳代謝を活発にして、粘膜や皮膚を健康に保ちます。油との相性の良いビタミンなので、炒めたり、油分を含む食品と一緒に摂ると、吸収が良くなります。 →鶏レバー・豚レバー・卵黄・あんこう肝・うなぎの蒲焼などに含まれます。

それでも口内炎ができてしまったら、食事は、刺激の強いもの、熱すぎるもの、酸味の強いものなどは避け、薄味の野菜スープや肉団子など、一口大で柔らかいものを選ぶと良いでしょう。

栄養素を持つ食べ物

アフタ性口内炎の治療法

基本的には、積極的な治療をしなくても自然に治ります。
普通は1週間、遅くとも2週間以内で回復に向かうでしょう。
ただし、次のような症例は医療機関を受診してください。

  • ■一度に5個以上の口内炎が発生した場合
  • ■6mmを超える潰瘍ができた場合
  • ■2週間の経過観察で、回復の兆候が見られない場合

治療薬


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