歯石を取る治療「スケーリング」について

スケーリングとは

スケーリングとは、歯にベトっと付いてある白い汚れ(歯垢)や その歯垢が固まったものが歯石、その他、茶渋やタバコの着色汚れなど… 歯の表面に付着した汚れを歯科医師または歯科衛生士が専用の器具で取り除くことをいいます。

歯垢、歯石、着色、他にもプラークやステインなど、歯の汚れって色々聞きますが、それぞれの違いとはなんでしょうか?
外から付着する歯の汚れは、大きく3つに分けられます。

  1. 着色汚れ=ステイン(茶渋、タバコのヤニ)
  2. 歯垢=プラーク (菌の塊、白くやわらかい)
  3. 歯石(歯垢が唾液中のカルシウムを含み硬くなったもの)

着色・歯垢・歯石の除去方法の違いについて

ご自宅のセルフケアで除去ができるものなのか、歯科医院に行かないと除去ができないかなどを紹介します。

1. 着色(ステイン)

付着する原因 :
食品中に含まれるポリフェノール、タンニン、ニコチン、タールなどが歯に付着することが原因です。
予防方法 :
根本的な色素の原因となっている食生活を改善や減煙や禁煙。また、日々の着色汚れを意識した歯磨きを行い着色が蓄積しないように努めるなどです。
除去方法 :
一度ステインが付着してしまうと歯ブラシだけではなかなかセルフケアでの除去が難しいので歯科医院の受診がおすすめです。
自宅での予防セルフケアとして、研磨剤入りの歯磨き粉を使うなどその日の着色程度であれば除去できます。 ステイン除去効果のある歯磨き粉は研磨剤が入っていることがほとんどなので、過度のブラッシング圧では歯を削ってしまわないように注意しましょう。

着色の原因についての画像

2. 歯垢(プラーク)=生きた細菌の塊

付着する原因 :
口の中にはたくさんの種類の細菌が住み着いており、歯の表面に付着した細菌同士が集まることでバイオフィルムが作られる(水回りの粘りと同じ)。
予防方法 :
私達が生きて、そこに細菌が存在する以上避けられない汚れです。 生きた細菌の塊ですので身体に悪い影響があり、除去する必要があります。
除去方法 :
歯の上に付着する白く柔らかい汚れで、歯ブラシなどの毛先が当たれば除去することができます。ネバネバしていて、歯にへばりついているのでうがいだけでは取り除くことができません。
(うがいで取り除けるのは食べ物のカス)
歯茎と歯の境目を鏡でよく見てみると、白い汚れがついていませんか?
噛み合わせの部分は歯ブラシで磨きやすく、食べ物を噛むだけでも歯垢除去されていきます。
しかし、歯と歯の間、歯と歯茎の境目は歯ブラシの毛を上手く当てるのに細かい歯ブラシの動きが必要です。毛先によく注目しながら清掃したり、フロスや歯間ブラシを用いるなどコツが必要です。

歯垢がつきやすい箇所の画像

※特に歯垢がつきやすいところを黄色く示しています。

 

3. 歯石

付着する原因 :
歯石は、歯垢が唾液中のカルシウムと混ざって白く硬くなることが原因です。(石灰化)
歯垢は約2日間で石灰化し始めると言われていて、その後2週間で石灰化が完了し歯石となります。
予防方法 :
歯石は歯ブラシでの除去はできません。歯科医院で、専用の器具を使って除去する必要があります。

 

   セルフ除去  取り方
 着色  やや可能  毎日の予防
 歯垢  可能  歯ブラシにて除去可能
 歯石  不可能  歯科医院にて

歯石を放置するデメリット

磨き残し=歯垢があると虫歯になるというのはイメージが湧きやすいですよね。
では、歯垢が硬くなった歯石の付着が残っているとどんな悪影響があるでしょうか?
歯石は「死んだ細菌の塊」であり、歯垢(生きた細菌の塊)のように、そのものが歯周病を引き起こす原因にはなりません。
しかし、歯石の表面はデコボコしているので歯垢が付着しやすい状態です。そのため、歯石の上にプラークが付着して石灰化するとさらに大きな歯石となり、歯茎の炎症をさらに招く結果となってしまいます。このように、歯石が歯石になってしまうと歯磨きで取り除くのは不可能です。

スケーリングのメリット

スケーリングとは初めにお伝えしたように、歯科医院にて専用の器具で着色・歯垢・歯石の除去を行うことです。
セルフケアでの除去が難しい着色や歯石、歯垢除去も自分では届きにくいところへ器具を用いて除去することが目的です。
期待できる効果は、細菌の除去による虫歯・歯周病の予防です。
ツルッとした歯に仕上げるので、審美的(見た目の)効果に加えて、汚れが付着しにくい歯に仕上げる効果があります。

当院のスケーリング方法

スケーリングは超音波振動をあてて歯石を浮かせとる超音波スケーリングや、お水を出さずに手動で歯石をとる手用スケーリングなどがあります。
お水で滲みる歯や歯にこびりついている様な部位には手用スケーリング、長時間の開口がお辛い方には超音波スケーリングでスピーディーにとるなど使い分けをしています。

スケーリング方法についての画像

よくあるご質問

Q.歯石をとってから滲みるようになった

A.元々歯茎が痩せて滲みる状態だったが、歯石が付いていたため、知覚過敏の症状がわからなくなっていた可能性があります。
滲みる事が嫌だからと歯石を放置すると歯周病が進行していくため、歯石は除去しなくてはいけません。
歯を削らない滲み止のお薬の塗布や、知覚過敏用の歯磨き粉を使用するなどの解決法があります。

Q.スケーリング後歯の形が変わったと思う。歯を削られたのか?

A.歯の裏側は特に唾液腺があるため、歯石がこびりつきやすい場所です。
スケーリングで歯を削る事はありません。
蓄積されていた歯石をとるとスカスカした感覚を覚えるかもしれませんが、それが元々の健康で引き締まった歯茎と歯の状態です。

Q.久しぶりにスケーリングをしてもらったら血がでた。時間がかかった。

A.もちろん熟練の衛生士によるスケーリングの早さなどはあるかもしれませんが、原因の1つにお久しぶりのスケーリングの可能性があります。
歯石が歯茎の下に潜る程蓄積してしまうと歯石をとるのに時間がかかります。 歯茎の下に潜った歯石がある場合は1回目のスケーリングで歯茎を引き締めて歯茎の下に潜っていた歯石を出し、ブロック別に更に除石していく治療が必要です。
腫れた歯茎は歯ブラシを当てた程度でも出血します。 歯石をとっている時の出血は悪い血を出しているため、すぐに止まります。 知覚過敏の歯のスケーリングや歯茎の下のスケーリングはお痛みがでそうなら麻酔を使うこともできます。
定期的なスケーリングをしていた場合、歯石がつくのも少なく、時間やお痛みなどのストレスも少なく治療を終えることができるため、半年に1度は定期的なスケーリングをお勧めします。

 

スケーリングご希望の方や、もう少し詳しく聞きたいという方は、お気軽にお問い合わせください。

 


トップへ戻る