抜歯後は柔らかくて食べやすい食事からスタート
抜歯後に食事がしたい方は、局所麻酔が切れる施術後2~3時間後が目処になります。治療痕は傷つきやすく、また傷口の回復に役立つ血餅がとれやすい状態のため、雑炊やおかゆのような柔らかくて食べやすい食事が最適です。
抜歯してから数日~数週間後にかけて、傷口の痛みなどをチェックしながら、徐々に普通の食事に戻していきます。
抜歯した直後は麻酔が切れるまでなるべく食事は避ける
抜歯の際は局所麻酔を実施します。麻酔が効いている間は口内の熱や痛みの感覚がなくなり、火傷をしたり、舌を噛んだりと思わぬ事故につながる恐れがあるため、食事は控えるようにしましょう。
局所麻酔の持続時間は、血管収縮剤を含む一般的な麻酔薬の場合は2~3時間ほどです。歯の治療後に受けた指示に従い、口内の違和感がとれたことを確認してから食事をしてください。親知らずの抜歯後の症状などについては「親知らずを抜歯したときの症状・注意」を御覧ください。
抜歯した当日はおかゆや雑炊など治療痕を傷つけない食事を
抜歯治療を受けた当日は、まだまだ治療痕がデリケートな状態であり、傷口の治りを早める血餅が取れやすくなっています。雑炊やおかゆ、お茶漬け、うどんのような柔らかくて食べやすい食事が理想的です。
ただし、あまりにも熱いと患部を刺激してしまうため、食事の際はよく熱を冷ましましょう。また、香辛料やスパイスは炎症を悪化させる恐れがあるため、味付けにも注意が必要です。
抜歯してから数日~数週間後は徐々に普通の食事に戻していく
抜歯治療を受けてから翌日以降は、体の様子を見ながら、ゆっくり元の食事に戻していくフェーズです。治療後数日はまだ痛みが残っていることが多いため、抜歯した当日と同様、柔らかく食べやすい食事がおすすめです。
抜歯してから数週間が経過し、傷口の痛みなどがなくなった場合は、徐々に通常の食事に戻しても問題ありません。
抜歯後はなるべく患部を痛める可能性のある食事は避けること
抜歯をした後は、治療痕を傷つけたり、炎症を悪化させたりする可能性のある食事に注意しましょう。具体的には、硬くて尖った食べ物や、香辛料やスパイスは、患部を痛めるリスクが存在します。
硬い食べ物や尖った食べ物は治療痕を傷つける
噛むのに力を要する硬い食べ物や、噛む際に破片が生じる食べ物は、治療痕を傷つけてしまう可能性があります。硬いフランスパンや、小骨の多い魚、せんべい、ポテトチップスのようなスナック菓子などが該当します。
香辛料やスパイスは炎症を悪化させてしまう
香辛料やスパイスのような刺激物は、傷口に痛みや腫れを引き起こすばかりか、血行を促進するため傷口が開いてしまう恐れがあります。キムチ、カレー、唐辛子を使った食べ物は、抜歯後間もない間はとくに避けるようにしましょう。
アルコール類やタバコは控えること
アルコール類は傷口が開く恐れがあるため厳禁
酒類やアルコール類も抜歯後は控えてください。アルコールには傷口を刺激し、血行を促進する効果があるため、治療痕から再出血してしまう恐れがあります。ビール、ワイン、焼酎や日本酒などは要注意です。
タバコは血流を悪くし傷口の治りが悪くなる
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる働きがあり、血管が収縮して血流が悪くなると、傷口を塞ぐのに必要な血液が不足している状態になり抜歯した部分の傷口の治りが悪くなります。
タバコによるドライソケットのリスク
抜歯をすると、一時的に穴があいてしまいます。タバコを吸うと抜歯後の傷口の治りが悪くなり、歯を支えている歯槽骨が露出することがあります。
この症状を「ドライソケット」といい、耐えがたい痛みを伴うことが多く、約1ヶ月ほど続きます。
そうならないためにも傷が落ち着くまでは禁煙することをおすすめします。
傷口の治りを早めるビタミンや亜鉛が豊富な食事を
ビタミンや亜鉛が豊富な食事を摂ることで、抜歯後に傷口の治りを早める効果を得られます。
ビタミンAは緑黄色野菜や乳製品、卵などから摂取できる栄養素で、皮膚や粘膜を保護する効果があります。また、肉や魚、ナッツ類に多く含まれるビタミンB群にも、皮膚や粘膜の代謝を促進する効果があります。
必須ミネラルである亜鉛には、傷口の免疫力を高め、皮膚の新陳代謝を改善する効果があります。
亜鉛は玄米や大豆、卵、チーズ、ナッツ類から効率的に補うことができます。ビタミンCやクエン酸と同時に摂取することで、亜鉛の吸収率を更に高めることができるため、野菜や果物を献立に入れましょう。
抜歯後の食事は柔らかいものから徐々に通常の食事へ
抜歯後の食事を経過時間に合わせて解説してきましたが、いかがでしょうか。
歯の治療後は、麻酔が切れるまでなるべく食事は控えましょう。抜歯した当日は治療痕がデリケートな状態のため、柔らかくて食べやすい食事が理想的です。抜歯してから数日~数週間が経ち、痛みなどが見られなくなった場合は、通常の食事に戻しても問題ありません。
治療痕を刺激する食事をなるべく避け、ビタミンや亜鉛の豊富な食事を摂ることで、治療痕の回復が早まります。
- 参考ブログ記事はこちらから
- 早めに親知らずを抜歯すると良いポイント
- 親知らずを抜歯したときの症状・注意